マテリアルグループ(156A) 売上2ケタ増でも最終減益 2025/7更新

Material Group-156A 企業分析
Material Group-156A

企業概要

マテリアルグループ(156A)はPRコンサルティングを軸に、デジタルマーケティング支援とSaaS型PRプラットフォームを組み合わせた統合コミュニケーションサービスを提供しています。戦略立案からメディア露出、SNS運用、効果測定までワンストップで支援する点が強みで、契約の約6割が月額リテイナーです。生成AIを活用したリリース自動生成やモニタリング機能を拡充し、平均単価を引き上げています。従業員数は約300名、M&Aと新卒採用を併用して人材ポートフォリオを厚くし、クライアント業界の多層化を進めています。

財務状況

財務状況
財務状況

2025年8月期3Q累計で総資産は32.8億円(前期末比+0.6%)、自己資本比率は62.7%と健全です。有利子負債は6.1億円、D/Eレシオは0.14倍と低レバレッジ。手元現預金9.17億円に対し営業キャッシュフローは黒字を維持しており、株主還元とM&Aを同時並行で進められる余力があります。無形固定資産が小さく減損リスクは限定的で、軽資産経営を徹底しています。

貸借対照表の推移

  • 流動資産:18.0→20.5→19.6億円と推移しキャッシュ比率を高水準で維持
  • 有形固定資産:1.8億円と小規模で設備負担は軽微
  • 利益剰余金:前年比+2.3億円で内部留保を積み増し
  • 長期借入金:1.1億円減少し金利負担を圧縮

財務健全性指標

指標2025/8 3Q累計目安評価
自己資本比率62.7%40%以上優良
D/Eレシオ0.14倍1倍以下低リスク
インタレストカバレッジ25.6倍10倍以上高水準

キャッシュフローと運転資本

キャッシュフロー
キャッシュフロー
区分2024/8実績2025/8 2Q累計コメント
営業CF9.87億円2.17億円期初に販管費先行計上も黒字維持
投資CF▲2.11億円▲0.13億円SaaS開発中心で抑制的
フリーCF7.76億円2.04億円通年でも黒字見込み

運転資本回転日数は約75日と同業平均(約90日)より短く、売掛金回収効率が高い点が強みです。フリーCFは年間4〜5億円を確保できる見通しで、株主還元と成長投資を両立できる財務体質です。

収益性と効率性

収益性
収益性
指標2025/8 3Q累計前年同期評価
売上総利益率60.5%59.7%改善
営業利益率16.2%15.3%高水準
ROE31.1%30.5%優秀
ROA20.2%19.8%優秀

セグメント別収益性

セグメント売上高売上YoY営業利益率
PRコンサルティング45.2億円+13.2%23.8%
デジタルマーケティング5.03億円+23.0%11.4%
PRプラットフォーム2.57億円+1.4%▲7.4%

プラットフォーム事業は赤字が続きますが、有料AI機能の寄与で2026年には黒字転換が見込まれます。

業界動向

業界動向
業界動向

国内PR市場はデジタルシフトを背景に年率約6%で拡大中。広告費全体に占めるPR比率は米国約60%に対し日本は20%弱と伸び代が大きいです。生成AIやデータドリブンPRのニーズ拡大で、同社のSaaSが提供する分析・自動化ツールが競争力を発揮しやすい環境にあります。資金余力のあるマテリアルグループは、活発化する業界再編で買収側に回れる立場です。

事業リスク

事業リスク
事業リスク
  • 財務リスク:ロックアップ解除後の大株主売却による株価変動
  • 人的リスク:キーパーソン離職による大型案件失注
  • 景気リスク:広告費サイクルに連動する景気感応度

将来の成長

成長戦略
成長戦略

会社は2027年8月期までに売上100億円、営業利益率18%を目指す中期計画を据え置き。SaaS ARRが年率40%で25億円規模へ成長すれば、営業利益を年間3億円押し上げられるポテンシャルがあります。過去3年平均ROIC14%と資本効率が高く、今後もFCFを原資に自社株買いとM&Aを柔軟に実行して株主価値を最大化するとみられます。

まとめ

まとめ
まとめ

私ならこうする

現時点の株価は771円(2025年7月14日終値)。予想PERは11.5倍と過去レンジ下限付近に位置しています。短期では25日移動平均線(約715円)まで調整した押し目を待って打診買いし、7月下旬の決算説明会で示されるSaaS黒字化ロードマップや追加株主還元策を材料にリバウンドを狙います。長期ではプラットフォーム事業が黒字化しARR成長が定常化する2026年2Q(2026年5〜7月)のタイミングでの買い増しが有効と判断します。

投資推奨

  • 短期投資(1か月以内):6/10
  • 長期投資(1年以上):8/10

投資判断の根拠

  1. 自己資本比率6割超・低レバレッジで財務余力が十分
  2. 高採算コンサル事業とSaaS ARR拡大による利益成長ポテンシャル
  3. 業界平均を下回るPER11.5倍と依然割安

リスク要因

  • キーパーソン流出による大型案件の失注
  • プラットフォーム黒字化遅延による評価修正

投資タイミング

  • 買い時:株価が25日線(715円前後)まで調整した局面
  • 売り時:PERが20倍を超え、自己資本比率が50%を下回るなど財務悪化が顕在化したとき

参考サイト


投資にはリスクが伴います。本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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