豆蔵デジタルHD(202A)業績も配当も好調な注目株!2025/5最新決算反映

豆蔵ホールディングス 202A 企業分析
豆蔵ホールディングス 202A

企業概要

豆蔵デジタルホールディングス(証券コード202A)は、製造・流通・金融など多業種に向けてDXコンサルティング、クラウドネイティブ開発、AI・IoTソリューションをワンストップで提供する独立系ITサービス企業です。グループはコンサル部門と受託開発部門を中心に約600名体制で、上流の業務改革からシステム実装・運用までを一気通貫で支援することを強みとしています。2021年の設立ながら積極的なM&Aで事業基盤を拡大し、2023年のIPO後もクラウドエンジニアの採用と地方拠点の新設を加速。顧客の製造DX需要を取り込み、売上の約70%をエンタープライズ領域が占める点が特徴です。

財務状況

財務状況
財務状況

2025年3月期末時点の主要指標は次のとおりです。

指標数値備考
総資産47億1,239万円前期比+33%
自己資本34億889万円自己資本比率72.3%
有利子負債1億円実質無借金
ネットキャッシュ17億3,300万円
流動比率320%前後高水準の流動性
資本金1億3,071万円第三者割当増資後
ROE42.06%高い資本効率
ROA30.43%

貸借対照表分析

項目 数値 補足
現金および預金 18億3,300万円 資産の38.9%
利益剰余金 32億4,696万円 純資産の95%
有利子負債比率 2.9% 財務安全性は極めて良好
無形資産(ソフトウエア等) 総資産の5%未満 減損リスクは限定的

財務健全性指標

指標 補足
D/Eレシオ 0.03倍
ネットD/Eレシオ ▲0.51倍 ネットキャッシュ
インタレスト・カバレッジ比率 100倍超

資本構成評価

株主資本72%、負債28%と保守的な構成です。さらなる成長投資余力が大きい一方、過大な自己資本はROE低下リスクにつながるため、今後は自社株買いまたは配当拡充の余地があると評価します。

キャッシュフローと運転資本

キャッシュフロー
キャッシュフロー
指標 2025年3月期実績 前期比・増減 備考
営業CF 13億7,172万円 +18.8% 本業由来のキャッシュ
投資CF ▲1億8,024万円 主に設備投資
フリーCF 11億9,100万円 黒字転換 営業CF+投資CF
財務CF ▲1億8,701万円 配当60円/株の支払
売上債権回転期間 1.57か月 高い現金化速度
運転資本 14億9,000万円 軽量なWC構造
将来フリーCF(2027年予想) 17億円 売上成長8%、営業CFマージン13%前提

高いキャッシュ創出力と軽量な運転資本構造により、成長投資と株主還元を同時に実現できる余力を維持しています。

収益性と効率性

収益性
収益性
指標2023年3月期2024年3月期2025年3月期傾向
売上総利益率33.5%34.0%33.5%横ばい
営業利益率17.0%18.8%19.6%改善
純利益率12.1%12.1%13.6%上昇
ROE51.3%42.1%自己資本増で低下も依然高水準
ROIC34.7%WACCを大きく上回る

セグメント別開示はありません(単一セグメント扱い)が、高付加価値のコンサル案件が増え、単価上昇が利益率改善の主因です。

業界動向

業界動向
業界動向

国内SI市場は年率4〜5%成長にとどまる一方、クラウド・DX領域は年率10%超で拡大しています。大手クライアントはレガシー基幹システムの再構築を急いでおり、中堅・独立系ベンダーにも大型案件が波及中です。主な競合はフューチャー、SHIFT、豆蔵K2TOPなど。豆蔵デジタルHDの売上成長率(年+10%)と営業利益率(19.6%)はいずれも業界平均(+6%、10%)を大きく上回っており、PBR8.31倍はROEを考慮すれば妥当と判断します。

事業リスク

事業リスク
事業リスク
  • 人材リスク:エンジニア採用難と人件費高騰により成長鈍化の可能性あり。
  • 顧客集中リスク:大口顧客案件(売上依存度10%以上)が遅延・減額となれば業績ブレに直結。
  • バリュエーションリスク:PER19.8倍と市場平均を上回り、業績上振れを織り込む水準。

将来の成長戦略

成長戦略
成長戦略

会社は2028年3月期までに売上200億円、営業利益率20%以上を掲げています。M&Aを年間2社ペースで実施し、クラウド運用・セキュリティ分野を補完予定。現行の営業CF水準とネットキャッシュを考慮すると、最大20億円規模の買収余力があり、計画達成可能性は高いとみられます。AI生成モデルの開発受託やSaaS連携サービスへの横展開によるARPU向上も期待でき、保守運用ストック売上比率を現行30%から40%へ高めるシナリオが有力です。

まとめ

まとめ
まとめ

私ならこうする

株価は上場来高値圏ですが、ネットキャッシュと高いCF創出力を考えると中長期では依然割安感があります。短期では決算発表前の押し目を待ち、長期ではクラウド移行需要の拡大とM&Aシナジーを見込み、じっくり保有するスタンスを推奨します。

投資推奨

  • 短期(1か月以内):6/10
  • 長期(1年以上):8/10

投資判断の根拠

  1. 営業利益率19.6%・ROIC34.7%と高い収益性。
  2. 自己資本比率72%・ネットキャッシュ17億円の盤石な財務。
  3. DX市場成長+M&A戦略による年10%超の売上成長見通し。

リスク要因

  • 人材確保難による成長鈍化・人件費上昇。
  • 大口顧客案件の遅延・減額による業績ブレ。

投資タイミング

  • 買い時:PER18倍台(株価1,600円近辺)で押し目があれば積極買い。ネットキャッシュ控除後の実質PERは15倍相当で割安。
  • 売り時:PER25倍(株価2,200円超)到達時は利益確定。成長シナリオに過度な楽観が織り込まれる水準。

参考サイト


「投資にはリスクが伴います。本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。」

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