企業概要
ファーストアカウンティング株式会社(証券コード:5588)は、AI(人工知能)を活用して、企業の会計業務を自動化・効率化するサービスを提供しています。従来、経理担当者が行っていたデータ入力や帳簿の確認といった作業をAIが処理することで、スピードの向上とミスの削減が可能になります。
同社のサービスは、月額料金制のサブスクリプションモデル(SaaS型)を採用しており、多くの企業が継続利用しています。特に注目されているのがクラウド型プラットフォーム「Remota」で、経理業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するうえで中心的な役割を果たしています。
最近の法改正(電子帳簿保存法やインボイス制度など)により、企業の会計業務は紙ベースからデジタル化が求められており、ファーストアカウンティングのサービス導入は急増しています。たとえば大手製造業では、AI導入によって年間数千時間の業務削減に成功したケースも報告されています。
さらに、同社は日本国内だけでなく、欧米やアジア諸国など海外市場への進出も視野に入れており、グローバル展開による成長が期待されています。
2025年12月期 第1四半期の決算サマリー
指標 | 実績値 | 前年同期比 |
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売上高 | 5.45億円 | +44.4% |
営業利益 | 0.69億円 | +24.7% |
経常利益 | 0.69億円 | +20.8% |
四半期純利益 | 0.50億円 | +2.9% |
自己資本比率 | 58.7% | +1.6ポイント |
導入企業数 | 148社 | +8社(増加) |
この四半期は売上・利益ともに大きく伸び、順調なスタートとなりました。とくにクラウド型サービス「Remota」の導入が進み、新規契約や既存顧客の利用拡大に繋がっています。AIを活用した新機能もテスト段階にあり、今後のサービス向上が期待されます。
キャッシュフローと運転資本管理
第1四半期のキャッシュフロー詳細は公表されていませんが、現金および預金は約2,200万円増加しており、財務状況は安定しています。また、減価償却費(資産の使用による価値の減少を表す費用)として約3,500万円が計上されており、AI関連の設備やサーバーの運用が継続中であることがわかります。
自己資本比率は58.7%と高く、他の同業他社と比較しても財務基盤は堅実です。利益の蓄積や資本増強によって、将来的な成長投資にも余裕があるといえます。
会計業界の動向と成長背景
現在、企業の会計業務におけるDX(デジタル化)が急速に進んでおり、紙で行っていた作業をクラウドやAIに移行する流れが主流となっています。日本では電子インボイス規格「Peppol」の導入が進み、こうした制度変更もAI会計システムの普及を後押ししています。
ファーストアカウンティングの技術的な強みは、会計業務に特化したAIの活用にあります。たとえば、国際会議ICASSPで高評価を得たAIモデルは、帳票の自動分類や仕訳処理の自動化を高精度で実現しています。すでにこの技術は一部のサービスで利用が始まっており、企業からの評価も高まっています。
また、同社は米国やASEAN諸国への展開も視野に入れており、グローバルパートナーとの共同事業や研究開発が進行中です。これにより、中長期的に売上の多角化が図られると予測されています。
投資判断
投資するメリット
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売上・利益が安定して成長している
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DXという大きな市場トレンドに合致
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技術力と財務基盤の両方に強みあり
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海外展開やサービス拡張に積極的
評価スコア:8 / 10(買い推奨)
リスクと懸念点
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ライバル企業の台頭による競争激化
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技術開発やリリースの遅れ
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海外進出に伴う規制や文化ギャップの壁
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景気悪化により企業のIT予算が減少する可能性
いつ買うのがよい?
現在のPER(株価収益率)は107.23倍と高めですが、将来の成長への期待が織り込まれた水準です。今後、株価が一時的に下がる可能性もあるため、複数回に分けて購入する「分散投資」や、押し目での買い増し戦略が有効です。
最後に
ファーストアカウンティングは、会計業務のDXとAIの融合という時代のニーズに応える企業として、今後も注目が集まると見られます。成長性・技術力・財務基盤の三拍子が揃った企業であり、投資対象として継続的にウォッチしておく価値があるでしょう。
投資にはリスクが伴います。本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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