企業概要
enish株式会社(証券コード:3667)は、スマートフォン向けゲームの企画・開発・運営を行うエンタメ企業です。2009年に創業し、2012年には東証マザーズ(現在のグロース市場)に上場しました。女性向けのソーシャルゲームを中心に、「ぼくのレストラン」や「ガルショ☆」といった人気タイトルを展開しています。
近年はWeb3技術にも注力しており、NFT(非代替性トークン)やブロックチェーンを活用した新しいゲームの開発に取り組んでいます。これにより、ゲーム内で取得したアイテムを資産として扱い、収益の多角化を狙っています。また、他社の人気IPと連携したタイトル開発も進めており、開発リスクの分散を図りながら新作を継続的に投入しています。
財務状況

enishの財務状況を2023年と2024年で比較した主要項目は以下のとおりです。
| 項目 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 総資産 | 18.9億円 | 17.6億円 | -7% |
| 株主資本 | 5.0億円 | 8.8億円 | +75% |
| 自己資本比率 | 26.5% | 50.3% | +23.8pt |
| 有利子負債比率 | 73.6% | 33.9% | -39.7pt |
株主資本の増加によって自己資本比率が大きく上昇し、有利子負債比率の低下により、資金繰りのリスクが減少しています。全体として、財務の安定性が着実に向上していることが確認できます。
キャッシュフローと資金管理

キャッシュフローの推移は以下のとおりです(単位:百万円)。
| 区分 | 2023年12月期 | 2024年12月期 |
| 営業キャッシュフロー | -610 | -330 |
| 投資キャッシュフロー | -160 | -50 |
| 財務キャッシュフロー | +250 | +460 |
営業活動によるキャッシュ流出は減少し、投資も抑制されています。一方で、増資による資金調達が進んだことで財務キャッシュフローは大きく増加しました。売掛金の回収スピードも改善しており、資金運用の効率性が向上しています。
収益性と効率性

売上と利益の推移は以下の通りです。
| 年度 | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 |
| 2023年 | 35.1 | -12.0 | -34.2% |
| 2024年 | 33.2 | -8.1 | -24.6% |
売上はやや減少したものの、営業損失は縮小しました。営業利益率も改善しており、コスト最適化により損失幅が縮小しています。
業界内での位置づけ

中小規模のゲーム企業と比較した際の指標は以下のとおりです。
| 指標 | enish | 業界平均(中小企業) |
| 売上成長率(前年比) | -5.5% | -2〜+3% |
| 営業利益率 | -24.6% | +5〜10% |
| 株価純資産倍率(PBR) | 4.03倍 | 1.5〜2倍 |
売上や利益率では平均を下回っている一方で、PBRは業界平均を大きく上回っており、将来性への期待が株価に反映されていると見られます。
投資評価とまとめ

enishは、既存タイトルの売上が伸び悩む中でも、コスト最適化や資本増強により、財務基盤の安定化を進めている段階の企業と言えます。自己資本比率は26.5%から50.3%へ大きく改善し、有利子負債比率も低下しており、資金繰りリスクは以前より低くなっています。一方で、本業の営業キャッシュフローは依然マイナスで、赤字縮小途上という状況です。
業績面では、売上はわずかに減少しつつも営業損失は縮小しており、収益構造の見直しが進んでいます。ただし、営業利益率は依然としてマイナスで、同規模のゲーム企業平均と比べると収益性は見劣りします。一方で、PBRが業界平均を大きく上回っていることから、Web3分野への取り組みや新作ゲームへの将来期待が株式市場ではある程度織り込まれている状況と考えられます。中長期的には、財務改善の流れを維持しつつ、新作やWeb3関連タイトルがどこまで収益化につながるかが重要な注目ポイントになります。
参考サイト
「投資にはリスクが伴います。本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。」


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