カドス・コーポレーション 211A 高収益不動産セグメントが牽引する成長株

Cados 211A 企業分析
Cados 211A

企業概要

カドス・コーポレーションは兵庫県姫路市に本社を置く中堅ゼネコンです。建築請負と自社保有物件の賃貸・開発を二本柱とし、用地仕入れから設計・施工・賃貸・売却までをワンストップで手掛けています。近年は収益性の高い不動産開発へ軸足を移し、少数精鋭80名体制ながら高品質・短工期を実現。2024年7月18日に東証スタンダード市場へ上場し、調達した資金は神戸・大阪圏の収益不動産ポートフォリオ拡大に充てられています。


財務状況

財務状況
財務状況

財務指標サマリー

指標数値備考
総資産84億円2024年7月期
自己資本41億円2024年7月期
自己資本比率48.8%改善傾向
長期借入金18.4億円前期比12%減
D/Eレシオ0.45倍同業平均0.8倍未満
現預金24.4億円四半期末5.9億円まで減少
有利子負債比率26.6%2025年4月時点
ROE9.9%予想13.8%、業界平均8%超
流動比率170%安全圏内
インタレストカバレッジ28倍安全圏内

分析

自己資本比率48.8%、D/Eレシオ0.45倍と健全なバランスシートを維持しています。現預金は潤沢で短期的な資金繰りリスクは限定的ですが、四半期末にかけて18.5億円減少(24.4億円→5.9億円)しました。この減少は①開発用地取得を中心とする投資CF▲7.4億円、②長期借入金返済・配当などによる財務CF▲7.9億円、③運転資本増を伴う営業CF▲3.1億円が重なった結果であり、資金流出要因を継続的にモニタリングする必要があります。


キャッシュフローと運転資本

キャッシュフロー
キャッシュフロー

CFサマリー

期間営業CF投資CF財務CFフリーCF棚卸資産備考
2024年7月期8.8億円▲0.6億円8.1億円過去最高
2025年期2Q累計▲3.2億円▲7.4億円▲7.9億円0.4億円用地取得影響
2025年期通期見込+3億円程度黒字化へ回復予定

分析

2024年期は不動産売却益と前受金増で営業CFが大幅黒字となりましたが、25年期上期は営業CF▲3.1億円に転落しました。投資CF▲7.4億円は開発用地取得が主因、財務CF▲7.9億円は長期借入金返済と配当支出によるもので、三つの負のフローが重なり現金残高が急減しました。棚卸資産は依然小さく、運転資本効率自体は高水準を維持しています。


収益性と効率性

収益性
収益性

主要指標

指標2024年期2025年期計画備考
売上高75億円(+15.8%)
売上総利益率19.4%前年から改善
営業利益率9.8%11.6%
純利益率6.2%
ROE9.9%建設業平均8%超
ROA4.8%
ROIC7.2%資本コスト超
不動産部門営業利益率31%建設部門2.9%

分析

高採算の不動産部門が全社利益の約80%を稼ぎ、今後も利益成長を牽引する見通しです。計画達成時には営業利益率が11%台へ乗せ、収益体質が一段と強化されます。


業界動向

業界動向
業界動向

国内建設業は資材高騰と人手不足で利益率が圧迫される一方、関西エリアは万博関連投資や再開発需要が旺盛です。賃貸住宅市場は金利上昇懸念があるものの、都心近郊の物流・医療施設は空室率が低水準で、同社が得意とする高付加価値物件の需要は底堅い状況です。PER7.4倍、PBR1.03倍は中小上場ゼネコン平均を下回り、バリュエーション面で依然割安感があります。


事業リスク

事業リスク
事業リスク
  • 金利上昇 : 開発利回り低下の懸念。
  • 不動産価格下落 : 評価損計上・CF悪化の可能性。
  • 公共投資縮減 : 建設請負部門の収益変動要因。

将来の成長

成長戦略
成長戦略

2027年までに売上100億円、営業利益率12%を目標としています。具体策は以下のとおりです。

  1. 神戸・大阪市内で賃貸レジ15棟を新規着工。
  2. 再エネ対応物流倉庫を開発し需要拡大を取り込む。
  3. BIMを活用し工期を15%短縮し、建設DXを推進。 IPO資金は用地取得(40%)、省エネ建材・ICT投資(30%)に重点配分され、成長施策の実現可能性は高いと見込まれます。

まとめ

まとめ
まとめ

私ならこうする

足元のCF悪化は一時的と判断し、株価調整局面を買いの好機と捉えます。PERは個別不動産株より低水準で、業績上振れ時の評価見直し余地が大きいです。

  • 短期投資 : 8/10
  • 長期投資 : 9/10

投資判断の根拠

  1. 不動産セグメントの高利益率と豊富な案件パイプライン。
  2. 自己資本比率48%、D/E0.45倍と財務余力が大きい。
  3. PER7倍台、増配方針で株主還元も強化。

リスク要因

  • 金利上昇による利回り低下。
  • 用地仕入れ過熱による償却前倒し負担。

投資タイミング

  • 買い時 : 出来高増を伴う押し目4,500円付近(2025年8月上旬安値)
  • 売り時 : PER12倍水準となる7,500円近辺で利益確定を検討

参考サイト


投資にはリスクが伴います。本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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