ブレインパッド(3655)の最新決算分析と投資判断(2025年5月更新)

3655 ブレインパッド 企業分析
3655 ブレインパッド

企業概要

ブレインパッド(3655)は、データ分析とAIソリューションを軸に、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するIT企業です。2004年設立、2011年に東証マザーズ上場(現グロース市場)を果たし、AI・機械学習・データマイニングなどを活用した戦略立案や業務改善に強みを持っています。主力事業は、企業向けにデータ活用のコンサルティングを提供する「プロフェッショナルサービス事業」と、自社製品をクラウド等で提供する「プロダクト事業」に大別されます。

マーケティング領域では大手小売業向けに購買データを基にした販売戦略の高度化支援、金融業界向けには不正検知やリスク評価モデルの構築、製造業では設備異常検知などの予兆保全システム導入など、各業界における幅広い実績があります。

財務状況(2025年3Q時点)

財務状況

指標 数値 増減率・補足
総資産 81.4億円 前年比+11.4%
株主資本 64.53億円 前年比+16.66%
利益剰余金 63.57億円 前年比+15.87%
自己資本比率 81.13% 前期比+1.43pt
ROE 18.57% 予想値
ROA 15.07% 予想値
PBR 4.32倍 株価純資産倍率
PER 23.25倍 株価収益率(予想)

純資産の増加と自己資本比率の上昇により、財務健全性はさらに強化されています。利益剰余金の積み上がりからも、内部留保による成長投資の余力が大きいことがうかがえます。

キャッシュフローと運転資本

キャッシュフロー

区分 金額 備考
営業CF 7.83億円 安定してプラス
投資CF -1.54億円 成長投資
財務CF -1.71億円 自社株買いなど
フリーCF 6.29億円 前年比+10.2%

営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、日常業務から着実に現金を創出しています。投資キャッシュフローは設備投資やSaaS事業強化など成長に向けた積極的な支出が主因であり、健全な投資行動といえます。フリーキャッシュフローは過去3年間すべて黒字で、持続的な成長の基盤があります。

収益性と効率性

収益性

指標 数値 前年比増減率
売上高 88.97億円 +13.33%
営業利益 16.37億円 +45.7%
経常利益 16.13億円 +46.4%
純利益 10.59億円 +36.97%

営業利益率の向上が顕著で、利益体質への転換が進んでいます。粗利率・販管費率の改善が業績を押し上げており、効率的なコストコントロールが機能していると判断できます。

セグメント別業績

  • プロフェッショナルサービス事業:売上73.8億円(前年比+9.5%)、営業利益29.1億円(同+24%)

  • プロダクト事業:売上31.8億円(前年比+4.0%)、営業利益0.77億円(同+73.3%)

プロフェッショナルサービスが収益の柱ですが、プロダクト事業も営業利益の大幅改善が見られ、SaaSモデル転換が奏功しつつあります。

業界動向

業界動向

データ分析・AI市場は今後も拡大が見込まれ、政府のデジタル政策や企業のDX投資が追い風です。一方で、米国系クラウド企業との競合は激化しており、プロダクトの独自性とスピードが鍵となります。

事業リスク

事業リスク

  • 競争の激化:国内外のAI関連ベンダーとの価格・技術競争
  • 人材不足:データサイエンティスト・AIエンジニアの確保難
  • 規制対応:個人情報保護法などの規制強化リスク

将来の成長

成長戦略

自社開発のSaaS型分析プラットフォームを中心に、契約単価の積み上げとLTV最大化を図っています。今後はM&Aによるサービスライン強化、グローバル市場(特にアジア)への展開、生成AIを含む新技術への対応がカギを握ります。

成功事例として、クラウド型マーケティング分析ツールを導入した大手通販企業では、CVRが約30%向上したとのデータもあります。

投資判断

まとめ

足元の業績と財務の安定性、成長戦略の実行力を考慮すると、私は中長期視点で積極的に投資していきます。短期的には押し目を狙うタイミングも良好です。

  • 短期投資推奨:8/10(押し目買い推奨)
  • 長期投資推奨:9/10(強く買い)

投資判断の根拠

  1. 営業利益の大幅増(45%以上)で利益成長が継続

  2. SaaSへの転換進行により収益モデルが強固

  3. フリーキャッシュフローの黒字継続と財務健全性

リスク要因

  1. 海外クラウド系SaaSベンダーとの競争

  2. 高度人材の採用難による成長制約

投資タイミング

  • 買い時:1,250円台までの押し目があれば買い増しを推奨(現在1,301円)
  • 売り時:PER30倍水準(1,600円前後)で一部利確を検討
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投資にはリスクが伴います。本記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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