企業概要:住宅業界のDXを牽引するSaaS企業
Cocolive株式会社は、住宅業界に特化したクラウド型営業支援ツール「KASIKA(カシカ)」を提供する急成長中のSaaS企業です。主力製品のKASIKAは、来場者管理、営業進捗の可視化、商談状況の分析、顧客対応の質的向上を支援する機能を備え、住宅業界の営業活動を効率化します。
建設・住宅業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)への関心の高まりを背景に、Cocoliveは着実に市場での存在感を高めています。サブスクリプションモデルによるストック型収益が主軸で、継続的な課金収益とアップセルによるLTVの拡大が見込める点が強みです。
財務状況:強固な財務基盤と収益性

財務状況
以下は、2025年5月期第3四半期時点の実績と通期予想です。
項目 | 金額・数値 | 対前年同期比 |
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売上高(第3四半期) | 9.54億円 | +27.2% |
当期純利益(第3四半期) | 1.44億円 | +42.57% |
売上高(通期予想) | 12.64億円 | – |
当期純利益(通期予想) | 1.82億円 | – |
自己資本比率 | 70.6% | – |
ROE | 22.5% | – |
ROA | 19.6% | – |
利益剰余金の積み上げと流動資産の厚みにより、財務レバレッジに依存しない堅実な成長を実現しています。流動比率は340%超と高く、短期債務への対応能力も十分です。
キャッシュフローと運転資本:黒字維持と効率性

キャッシュフロー
区分 | 年度 | 金額 | 備考 |
営業キャッシュフロー | 2024年 | 2.2億円 | プラス推移 |
営業キャッシュフロー | 2025年(第3Q) | 2.5億円 | プラス推移 |
投資キャッシュフロー | – | マイナス | 新規開発投資が中心 |
フリーキャッシュフロー | – | 黒字維持 | 安定的に黒字を確保 |
財務キャッシュフロー | – | 一時的プラス | 株式発行あり、自立成長が主軸 |
営業活動によるキャッシュ創出力は安定しており、資金繰りは非常に良好です。開発への投資が戦略的に行われており、将来の成長に向けた布石と評価できます。
運転資本も適切にコントロールされており、売掛金や在庫の滞留リスクは極めて低く、キャッシュコンバージョンサイクルの短さが企業体質の健全さを示しています。
収益性と資本効率:業界屈指の高収益体質

収益性
指標 | 数値 | 備考 |
営業利益率 | 21.7% | 2025年5月期第3四半期 |
売上総利益率 | 65% | 高水準の粗利を安定的に確保 |
純利益率 | 15%以上 | 利益体質の堅牢性を裏付ける |
ROE | 22.5% | 自己資本利益率 |
ROA | 19.6% | 総資産利益率 |
ROIC | 推計17〜18% | 投下資本利益率(資本効率の高さ) |
これらの数値は、Cocoliveが限られた資源で高いリターンを創出していることを示しており、経営の質と効率性の高さが際立っています。
業界動向:DX需要とSaaSの追い風

業界動向
住宅業界では、属人的な営業スタイルや人手不足が慢性化しており、DX化のニーズが急速に高まっています。KASIKAはこうした課題にマッチしたソリューションを提供しており、導入のハードルが低いことも強みです。
競合には汎用SFA(Salesforce、kintone等)がありますが、KASIKAは住宅営業に特化したUI/UXと機能構成で差別化に成功。今後もSaaS市場の拡大とともに、Cocoliveのプレゼンスはさらに高まる見込みです。
事業リスク:外部環境と成長痛

事業リスク
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住宅市場の動向:住宅着工件数が減少すると、顧客開拓のペースが鈍化する可能性があります。
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組織体制の構築遅れ:成長スピードに人材供給が追いつかず、サポート品質や顧客満足度に影響が出るリスクがあります。
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CACの上昇:競争激化による顧客獲得コストの増加が、短期的な利益率に影響する可能性もあります。
将来の成長戦略:多角化と海外展開への布石

成長戦略
Cocoliveは現在、地方や中小ビルダー市場への拡大を加速させています。また、ARPU向上のための新機能追加・オプションサービス提供にも注力。収益の多層化が進んでいます。
中期経営計画では2026年に売上20億円・営業利益率25%の達成を掲げており、進捗率は既に70%以上。実現可能性は極めて高く、他業種への展開や海外市場参入も視野に入っています。
投資判断:中長期的な成長を狙う好機

まとめ
私ならこうする
現状の株価水準(1,336円前後)は、成長性・財務健全性・競争優位性の3拍子が揃っており、中長期投資にふさわしいと判断します。特にストック収益モデルの堅牢性から、押し目を狙って段階的に買い増す戦略が有効です。
投資推奨
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短期投資:7/10
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長期投資:9/10
投資判断の根拠
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安定したストック収益構造による継続的な成長
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高ROE・ROAなど資本効率の高さ
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中期経営計画の進捗と実現可能性
リスク要因
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住宅業界の景気変動に伴う導入減少
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組織規模拡大における体制整備の遅れ
投資タイミング
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株価1,300円付近は押し目と判断され、買い増しの好機。調整局面を活かしたエントリー戦略が有効です。
投資にはリスクが伴います。本記事の内容は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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